こんにちは。
香川県高松市の㈲生道道路建設です。
皆さんはアスファルト舗装にも寿命があることはご存知でしょうか?
基本的にアスファルト舗装の寿命は10年として設計されていることが多いです。
では、どのようにアスファルト舗装の道路は劣化していくのでしょうか?
そして、その補修方法にはどのような方法があるのでしょうか?
本日は、この部分について見ていきたいと思います。
ぜひご覧ください。
アスファルト舗装の劣化原因
アスファルト舗装の劣化原因
アスファルト舗装が劣化する主な要因は『ひび割れ』です。
そして、そのひび割れの主な発生要因は以下であると考えられます。
①車両などの交通荷重
②水の浸透
③温度変化による収縮
これらの要因が複合的に絡み合い、ひび割れが発生します。
では、どのようなメカニズムでひび割れが発生するのでしょうか?
アスファルト舗装の劣化メカニズム
①交通荷重や経年劣化などにより微細なひび割れが発生
大型車両などの重量の大きい車両がアスファルト道路を走ることにより、アスファルトがたわみます。
また、季節の変化や昼夜などによる気温の変化、紫外線などにより経年劣化も進みます。
これらの要因を受けて、アスファルトには微細なひび割れが発生していきます。
②微細なひび割れの成長および水の侵入
当初、微細なひび割れは路盤までは到達していないでしょう。
しかし、ひび割れという箇所は応力が集中しやすい(構造的に弱点となる)ため、成長していき遂には路盤まで到達します。
そうすると、雨水などがひび割れから侵入し路盤に浸透します。
③ポンピング現象により徐々に空洞化が進み、アスファルトの破壊も進む
ポンピング現象とは
交通荷重がかかった際に、雨水とともに路盤の細粒分が噴き出す現象
このポンピング現象により、アスファルト舗装版と路盤との間に空洞が出来ていきます。
そして、これらが繰り返されることにより空洞が大きく成長してしまいます。
アスファルト舗装版と路盤の間に空洞が出来た状態で交通荷重がかかると、アスファルト舗装版の破壊も進みます。
この状態が続くと、アスファルト道路の表面は亀甲状にひび割れが進行してしまいます。
↓このような状態になります。見たことがあるのではないでしょうか?
④アスファルト舗装版が剥がれ穴が開き、路盤がむき出しになる
亀甲状のひび割れが進むと、破壊された一つ一つの舗装版の重量は小さいため飛散しやすくなってしまいます。
よって、車両の通行の際、車両のタイヤと小さな舗装版が密着し、飛散していきます。
そして、アスファルト舗装に穴が開き、通行に支障をきたすようになります。また、事故の危険性も高まります。
アスファルト舗装の補修方法(クラックシール材の注入)
上記のような亀甲状の状態なると、舗装の打替えなど抜本的な対策を施さなければなりません。
しかし、微細なひび割れが発生した状態、もしくはひび割れが路盤まで到達していない状態で簡易な補修を施すことによりアスファルト舗装の寿命を延命させることが出来ます。
ここでいう簡易な補修とはクラックシール材の注入です。
クラックシール材注入による補修方法とは
ひび割れ箇所にクラックシール材の注入を行うことで、舗装内への雨水の浸入を防ぎ、アスファルト舗装の寿命を延命させ、ライフサイクルコストを低減させることです。
クラックシール材の特徴
①アスファルト舗装やコンクリート舗装との接着性や追従性に優れています。
②冬期の低温時にも柔軟性を保ち、ひび割れやはく離を生じません。
③夏期の高温時にも、表面のべたつきがありません。
④耐候性に優れています。
⑤浸透性に優れ、ひび割れへの充填が容易です。
※出典元:ニチレキ株式会社
クラックシール材注入の施工方法
①着工前
上記の写真は着工前ですが、以前にクラックシール材の注入による補修を実施していることが分かります。
しかし、経年劣化によりひび割れが大きくなっているため、再度クラックシール材を注入することによりアスファルト舗装の延命を図ります。
②クラックシール材の注入
ひび割れ箇所にクラックシール材を注入し充填していきます。
クラックシール材は熱することで液体状になり、ひび割れ箇所に注入しやすくなります。
③完成
クラックシール材を注入するだけですので、これで完成です。
クラックシール材は注入時は高温の液体状ですが冷えるとゴムのような固体状態になります。
クラックシール材が冷える前に車両等が通行するとタイヤにクラックシール材が付着してしまうため、石灰などで養生します。
いかがでしたでしょうか?
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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