アスファルト舗装のわだち掘れについて

土木工学

 

こんにちわ。

香川県高松市の㈲生道道路建設です。

本記事では、アスファルト舗装のわだち掘れについて説明します。

 

アスファルト舗装のわだち掘れについて

わだち掘れとは、車の車輪通過位置(わだち部)に生じる道路延長方向に連続した凹みを言う。

わだち掘れは、主に舗装上部(厚さ10cm)の垂直・水平方向の塑性変形によるもので、水平せん断力による押し出しと変形、および垂直方向の繰返し荷重による横方向の変形・圧密によって生じる。

わだち掘れは通常大型車が多い(80~90%)の走行車線の外側のわだち部で最も大きく、また、車が徐行・停止・発進する交差点付近や、登坂車線、渋滞路線などで顕著に現れる。

日本の高速道路の修繕は、わだち掘れが主な原因になっており、スパイクタイヤが禁止された平成3年以降でも、修繕に占めるわだち掘れの比率はおよそ60%以上に及び、これに対しひび割れが原因の修繕延長の比率は約20%に過ぎない。

 

わだち掘れの影響

わだち掘れは、路面に水を溜めて車のすべりやハイドロプレーニングの危険を増し、水はね・水しぶきを発生させ、また、舗装内部に水が浸入する機会を増やし、冬期には部分的に氷面を形成する。

わだち掘れが20~25mmになると何等かの処置が必要である。

わだち掘れは約13mm以下であれば、路面の横断勾配の効果でわだち部に滞水は発生せず、操舵上の問題も車輪の逸脱も起こらない。

 

わだち掘れの発生と時期

舗装の交通開放後の初期に、交通による追加的な締固めのため表層に比較的急速な変形が生じ、その後変形の速さは施工時に乱された路床の含水状態の平衡もあって低く一定になる。

初期の締固め後の変形は、暑い夏を除けばほとんど生じないので、全変形量は初期の変形状況に大きく左右される。

わだち掘れは、最初の5年間にその約50%を生じ、以後はあまり生じないとも言われる。

 

わだち掘れの防止

アスコンの塑性変形によるわだち掘れは

・骨材とアスファルトの選択

・アスファルト混合物の正しい配合

・強力な締固め

などによって防ぐことができる。

 

過去の試験舗装では、わだち掘れを減らす要因は

・玉砕より砂岩

・軟らかいアスファルト(針入度80~100)より硬いアスファルト(針入度40~60)

・OACより少ないアスファルト量

・2.5mmフルイ通過量が少ない粗骨材の多い骨材粒度

などであることが分かっている。

しかし、これらの要因は、一方でひび割れを助長する要因でもあり検討を要す。

 

 

以上です。

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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