技能者処遇改善の追い風なるか-「賃上げ」議論活発化/政府、政府調達手法見直しへ

時事通信

 

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技能者処遇改善の追い風なるか-「賃上げ」議論活発化/政府、政府調達手法見直しへ

 

日刊工業新聞より

 

 

岸田政権が目玉政策に掲げる「成長と分配の好循環」の実現に向け、労働分配率の引き上げなど「賃上げ」を巡る議論が活発になってきた。

政府の「新しい資本主義実現会議」が8日に決定した緊急提言には、公共事業などの政府調達で賃上げを行う企業を優先する方針が盛り込まれた。

看護や介護の従事者を念頭に検討が始まった公的価格の見直しが、技能労働者の処遇改善の追い風になる可能性もある。

公共工事設計労務単価などの在り方に一石を投じることになるか、議論を見守る必要がある。

緊急提言では分配戦略の一つとして政府調達手法の見直しを挙げた。

「賃上げを行う企業から優先的に調達を行う措置」などを検討するよう明記した。

賃上げに積極的な企業に対し、税額控除の率を引き上げるなど税制措置も検討。

下請取引の適正化に向け、労務費や原材料費を含むコストの上昇が適切に価格転嫁されるよう、産業界への働き掛けを強化する。

提言内容は政府が年内にまとめ補正予算を財源とする経済対策、来年度の当初予算や税制改正、法整備などで具体化していく。

公的価格の見直し議論は、政府が設置した「公的価格評価検討委員会」で行われる。

「全世代型社会保障構築会議」と合同で開かれた9日の初会合で、岸田文雄首相は看護や介護、保育の現場で働く人の収入増に向け経済対策で必要な措置を講じると表明している。

政府全体の動きに対する国土交通分野の対応は現時点で明確でない。

ただ斉藤鉄夫国土交通相は公的価格の見直しについて10日の記者会見で問われ、建設分野でも「待遇改善が非常に大きな問題」との認識を示した。

斉藤国交相は「若い人たちが参入する職場として魅力ある仕事場にしていくことが国交省の一つの使命」と強調。

トラックやタクシーなど交通分野の従事者も含め、賃上げに向け「成長と分配という岸田内閣の論理の中で国交省としての議論もしっかりやって提言していきたい」との考えを示した。

 

 

以上です。

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