【コンクリートの劣化現象】中性化について

土木工学

こんにちわ。

香川県高松市の㈲生道道路建設です。

コンクリートの劣化現象の1つに『中性化』があります。

本記事では、コンクリートの中性化について説明します。

コンクリートの中性化とは、どのようなメカニズムなのか?

コンクリートの中性化を防止する方法は?

など、この記事を読めばコンクリートの中性化について概要を掴めるようになると思います。

ぜひ参考にしてください。

 

【コンクリートの劣化現象】中性化について

コンクリートの中性化とは

コンクリートの中性化とは、鉄筋コンクリート内の鉄筋を腐食させる現象です。

鉄筋が腐食することで、鉄筋の体積が大きくなりコンクリートのひび割れを引き起こします。

コンクリートのひび割れはコンクリートの耐久性に悪影響を及ぼすため、コンクリートの中性化は防がなければならないものであると言えます。

 

中性化のメカニズム

・通常コンクリートはアルカリ性

・空気中の二酸化炭素などの影響により、コンクリート内のアルカリ性の水酸化カルシウムが酸性の炭酸カルシウムに変化

・コンクリート自体がアルカリ性あら中性へと変化

・中性化が進みアルカリ性が弱くなると、鉄筋コンクリート内の鉄筋の表面を覆っている不動態被膜が壊れる

・不動態被膜が失われることで、鉄筋の腐食が始まる

・鉄筋の腐食により鉄筋は膨張し、鉄筋の体積は2.5倍ほどになる

・鉄筋の膨張により、コンクリートにひび割れが発生する

 

 

中性化の抑制

鉄筋コンクリートを長期間使用していくなかで、中性化を完全に防ぐことは困難です。

しかし、中性化の発生や中性化がコンクリート内部の鉄筋に到達するまでの時間を遅らせることで、構造物の延命を図ることが一般的となっています。

 

【抑制方法】

・鉄筋のかぶりを大きくし、中性化が鉄筋に到達するまでの距離を長くする

・水セメント比を小さくし密度の高いコンクリートにすることで、中性化の原因となる二酸化炭素の侵入を防ぐ

・ひび割れを発生させないため、養生期間を長くしたり、コンクリート表面への塗装を行う

 

 

中性化の劣化対策

中性化による劣化がある程度進行してしまった場合、下記のような方法で補修を行います。

 

①表面被膜工法

二酸化炭素の継続的な侵入を防ぐため、樹脂系やポリマーセメント系の材料でコンクリート表面を被膜する方法

 

②断面修復工法

鉄筋腐食が進行した際に、中性化したコンクリートを除去・修復する方法。腐食した鉄器の防錆処理も行う

 

③再アルカリ化工法

中性化したコンクリートのアルカリ度を回復させるため、コンクリートの表面にアルカリ性溶液と外部電極を設置し、コンクリート中の鉄筋との間に約1A/㎡の電流を1週間ほど流すことで、中性化したコンクリートを再びアルカリ性に戻す方法

 

 

以上です。

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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