こんにちわ。
香川県高松市の㈲生道道路建設です。
インドネシアの労働法を勉強するなかで、インドネシアでは労働者寄りの法律になっているなと感じます。
経営者は、労働者の勤務態度や貢献度をよく見ているもので、そこに致命的な欠陥がある場合、解雇の検討はやむを得ないことです。
一方で、インドネシアでは労働者を解雇するまでのハードルが非常に高く、これも労働者寄りの法律になっています。
本記事では、『インドネシアで労働者を懲戒処分および解雇する手続き』について紹介します。
ぜひ参考にしてください。
インドネシアで労働者を懲戒処分および解雇する手続き
懲戒処分の概要
インドネシアの労働法には、以下の種類の懲戒処分が定められています。
①警告
②減給、出勤停止
③懲戒解雇
インドネシアの法律では、①のとおり警告書の制度があります。
使用者は、労働者が労働協約、就業規則または個別の雇用契約に定める内容に違反した場合、この警告書を出すことができます。
警告書には以下の3種類があります。なお、警告書の有効期限は6カ月です。
・第1警告書(最も軽い違反自由)
・第2警告書
・第3警告書(最も重い違反自由)
この警告書による解雇の流れが、面白いです。
使用者目線で考えると、解雇までの道のりが非常に長い。。。
【解雇までの流れ】
①初回の違反行為による、警告書の提示
②その後、6カ月以内に再度違反。違反自由の重さにより、初回より重い警告書の提示
③第3警告所が出された後、6カ月以内に再度違反
④使用者は当該労働者を懲戒解雇できる
なお、労働協約や就業規則は、労働者の意見に基づき作成するため、その内容が懲戒解雇に結び付きやすくなるよう(軽い違反事由で警告)に規定することはほぼ無理です。
解雇の手続き
日本でも同様ですが、インドネシアにおいても法律上、使用者は労働者を解雇する前に、それを避ける努力が必要です。
具体的には
・配置転換
・経費削減
・会社再編
・勤務形態の変更
などがあります。
以上の対策をもってしても、解雇が避けられない場合、使用者は労働者と労使間協議を行い、話がまとまれば合意書を作成したのち労働裁判所に登録します。
労使間協議がまとまらない場合において労働者を解雇する場合は、原則として労働裁判所の決定が必要です。
使用者が労働者を解雇する場合に、裁判所への登録や決定が必要だというのは、使用者側にとっては非常にハードルが高い内容ではないでしょうか?
また、上記のように解雇のたびに労働裁判所の手続きをするのは時間もコストも必要ですし、労使紛争が解決するまでの間は、使用者は労働者に対して給与を支払い続ける必要があるようです。
よって、多くの場合、使用者と労働者の間で退職金の支払い額などを含めて雇用関係の終了を合意することが実務上ほとんどのようです。
その後で、労働裁判所への登録は必須で、登録を行えば労働者から事後の訴えを退けることができます
なお、以下の場合は労働裁判所の決定が不要です(解雇後、登録は必要)。
① 試用期間中の解雇
② 自己都合による退職
③ 有期雇用契約における期間の満了
④ 定年
⑤ 死亡
⑥ 従業員が刑事事件につき拘束され6カ月を経過しても業務に復帰できない場合、または6カ月以内に有罪判決が確定した場合
⑦従業員が主張する3カ月以上連続の賃金不払いや使用者の契約不履行等の違反が労働裁判所に認められなかった場合
(出典:インドネシアの法務・会計・税務)
以上です。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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