【海洋コンクリート】さまざまなコンクリートの特徴や用途

土木工学

こんにちわ。

香川県高松市の㈲生道道路建設です。

コンクリートには様々な種類があり、いずれも独自の性質や特徴を持っています。

現在、それぞれのコンクリートの特徴や用途を紹介しています。

本日は【海洋コンクリート】についてです。

ぜひご覧ください。

 

【海洋コンクリート】さまざまなコンクリートの特徴や用途

海洋コンクリートとは

海洋コンクリートとは、海水に接する環境や、直接波しぶきを受ける環境飛来塩分の影響を受ける環境で使用するコンクリートのことです。

・直接海水の作用を受けるコンクリートだけでなく、波や飛沫などの間接的に海水の作用を受けるコンクリートも海洋コンクリートとして扱う

・海水に含まれる塩分は鉄筋コンクリートの鉄筋を腐食させる塩害の原因となる

・海水成分の化学作用によるコンクリートの劣化が起こりやすい

・波の衝突や凍結融解などの物理的作用によるコンクリート表面の損傷も生じやすい

 

海洋コンクリートと海水の位置関係

海洋コンクリートと海水の位置関係によって、塩害などの影響が大きく異なります。

位置関係によって、下記の4種類に分けられます。

①海上大気中

平均満潮面(満潮時の海水面の平均)で生じる波の高さよりも上部の位置を指します。

海水が直接当たることの無い位置です。

 

②飛沫帯

平均満潮面からその位置で生じる波の高さまでの範囲を指します。

波が構造物に直接あたる位置です。

 

③干満帯

平均干潮面(干潮時の海水面の平均)から平均満潮面までの範囲を指します。

干潮時には海水に浸っていないものの、満潮時に海水に浸ることになる位置です。

 

④海中

平均干潮面よりも下の範囲を指します。

常時、海水に浸っている位置です。

 

劣化現象が最も生じにくいのは海中

・海水中は塩害による鉄筋の腐食を進行させる溶存酸素が少ないため、海中はむしろ塩害の進行が遅い

・海中は、波の衝突などによる物理作用も生じないので、コンクリート表面の損傷も小さい

飛沫帯や干満帯は、最も劣化が生じやすい

・飛沫帯や干満帯は、海水中の塩化物イオンと大気中の酸素の両方が供給され、波の衝突などの影響を受けるため

・海上大気中は、海水そのものを直接受けることはないものの、塩化物イオンの飛散による影響があるため、海中よりも塩害などが生じやすい

 

海洋コンクリートの材料

・海洋コンクリートでは塩害をはじめとする劣化現象への対策が重要

・セメントは、低熱ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメントの使用が望ましい

 

海洋コンクリートの配合

・単位セメント量は、飛沫帯や干満帯などの劣化が生じやすい場所では多めに設定する

粗骨材最大寸法が25㎜の場合の飛沫帯や干満帯、海上大気中では単位セメント量330kg/m3以上、海中では300kg/m3以上

粗骨材最大寸法が40㎜の場合の飛沫帯や干満帯、解消大気中では単位セメント量300kg/m3以上、海中では280kg/m3以上

 

海洋コンクリートの施工

・海洋コンクリートの施工では、各種劣化への対策を考慮して行う

・鉄筋コンクリートの場合のかぶりは大きめとし、通常の最小かぶり厚さに15㎜を加えた値を標準とする

打ち継ぎ目は出来るだけ設けない

最高潮位の上60㎝から最低潮位の下60㎝の間には打ち継ぎ目を設けないことが原則

・普通ポルトランドセメントを使用した場合、5日間は海水に洗われないよう保護する必要がある

 

 

いかがでしたでしょうか?

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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