【国別の投資環境まとめ】タイについて

Research

こんにちは。

香川県高松市の㈲生道道路建設です。

ASEANや南西アジアはビジネス展開を考えるうえで、その『市場規模や成長性』において魅力的です。

一方で、課題やリスクもあるということを紹介しました。

現在、もう少し落とし込んで検討していくために、国別に見ています。

今日は『タイ』です。

ぜひご覧ください。

 

【国別の投資環境まとめ】タイについて

中国、米国に次いで多くの日本企業が進出するタイ。

自動車を中心とした部品・裾野産業の集積により生産拠点としての深化が進むと同時に、中間層・富裕層の増加により消費市場としての魅力も格段に増しています。

一方で、政治的リスク、人件費の高騰、他社との競合激化などチャンスに隠れたリスクへの配慮も必要です。

 

ビジネスチャンス(メリット)

まとめ

・最近は国内消費市場の拡大により、外食をはじめとしたサービス産業の進出も広がる

・魅力的な生産拠点である

・部品の現地調達が容易であり、優れた調達環境と豊富な取引先がある(取引企業の集積・裾野産業の充実)

・電力、交通などのインフラ整備が充実している

・タイは外資誘致に積極的で、外資は手厚い優遇措置を享受できる(法人税の免除など)

・発展するポテンシャルを持つ国々が後背地であるメコン地域を有するタイ(有利なポジション)

・1人当たりのGDPが6,000ドルを超え、ASEAN主要国ではシンガポール、マレーシアに次ぐ所得水準

・首都のバンコクでは1人当たりのGDPが1万5,000ドルを超え消費意欲は旺盛

・日本食の進出が進み、ほぼ何でもある

 

ビジネス上の課題

①カントリーリスク

政治

・クーデターが発生した場合、経済が停滞する

・一方で、クーデターが発生しても通関手続きなどの行政手続きは通常どおり行われていた

社会

・2011年10月に発生した大洪水からも、洪水対策が必要

・被害総額は、当時タイのGDPの約14%に相当する1兆4,250億バーツ

・アジアはもともと自然災害が多い

経済

・概ね良好なマクロ経済。堅実な貿易黒字の積み重ねによる、十分な外貨準備高を誇る

・一方で、財政赤字の拡大に関して注意を払っておく必要がある

・2015年~20年ごろから生産年齢人口の減少の局面に入るため、労働投入型から生産性を高める動きが必要

・カンボジア、ラオス、ミャンマーなどの近隣のメコン諸国との連携強化が重要となってくる

・経済格差は縮まってきているものの、一層の改善が必要

 

②オペレーショナルリスク

生産・販売

・取引先が多いというメリットがあるということは、競合する相手も多く、競争環境が厳しい

雇用・労働・人権

・2013年時点で失業率は0.7%と完全雇用に近い状態のため、労働力の確保が難しい

・従業員の賃金上昇圧力が高い

・より安い労働力を求め、カンボジアやラオスなどへ生産工程の一部を移管する動きもある

・重要なのは、授業員の採用後にいかに定着させるかの方策が重要

従業員の不正

・日本語が堪能で経験が豊富にある現地人には注意が必要

・十分なコミュニケーション、チェック体制など経営側の努力が必要

税務・税関

・税関手続き担当者による不透明な運用によるリスクがある

・事後調査による追徴課税が常に付きまとう

・付加価値税や法人税の還付手続きに時間がかかる(4、5年)

・日本語が出来る経理スタッフは少なく、外部の会計事務所を活用するなどのリスク管理が必要

法務・規制

・タイでは外国企業の出資比率が50%以上の場合、外資と定義される

・外資として進出するか、現地パートナーと組みタイ法人として進出するか決める必要がある

・製造業は100%外資で進出が可能だが、サービス業は原則規制の対象になる

・製造業でも、メンテナンスはサービス業として捉えられるため留意が必要

・現地パートナーとのトラブルも多い

・タイでの撤退はさほど難しくはない

 

③セキュリティリスク

・タイで日本人が巻き込まれる被害は窃盗などがほとんど

・しかし、日本と比較すると危険度は高いため注意は必要

 

いかがでしたでしょうか?

政治的なリスクや、大洪水などの災害リスクを抱えながらも日系企業のタイへの進出は増加しています。

マイナス面を差し引いても余りあるタイへの投資環境上のメリットが大きのでしょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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