【コンクリートの劣化現象】アルカリシリカ反応

土木工学

こんにちわ。

香川県高松市の㈲生道道路建設です。

コンクリートのひび割れの発生原因の1つに『アルカリシリカ反応』があります。

本記事では、アルカリシリカ反応について説明します。

アルカリシリカ反応とは?

アルカリシリカ反応の予防や劣化対策など、本記事を読めばアルカリシリカ反応について概要を掴めます。

ぜひ参考にしてください。

 

【コンクリートの劣化現象】アルカリシリカ反応

アルカリシリカ反応とは

コンクリート中にはセメントや混和剤などにアルカリ分が含まれている。

また、コンクリート中の骨材にはアルカリ反応性鉱物が含まれており、これらが水と反応することで骨材中のアルカリ反応性鉱物が膨張し、ひび割れを発生させる。

これをアルカリシリカ反応と言う。

アルカリシリカ反応が発生すると、反応性骨材の周囲に白色のゲルが生成され、骨材の膨張に伴うひび割れを通じてコンクリート表面にゲルがにじみ出る。

 

 

アルカリシリカ反応の発生条件

アルカリシリカ反応は、以下の3つの条件が揃った場合に進行します。

 

①反応性骨材

②限界値以上のアルカリ分

③十分な水分

その他、

・アルカリシリカ反応による骨材の膨張は、高温であるほど膨張速度は大きく低温であるほど最終的な膨張量が大きい

・反応性骨材の量が多いほどアルカリシリカ反応による膨張も増大する

・反応性骨材の割合が一定値を超えると逆に膨張量が減少する傾向にある

 

 

アルカリシリカ反応の予防

アルカリシリカ反応を予防するためには、以下の3つが基本となります。

 

①コンクリート中のアルカリ総量を抑制する

・コンクリート中のアルカリ分の総量を3.0kg/㎥以下にする

・JIS規格でアルカリ分が規定されている、ポルトランドや普通エコセメントを用いることでアルカリ総量を把握する

 

②混合セメントを使用する

・アルカリシリカ反応の抑制に効果のある、高炉セメントフライアッシュセメントを使用する

A種は、高炉スラグやフライアッシュの分量が少ないため使用できない

・高炉セメントB種では、高炉スラグ分量は40%以上必要

・フライアッシュセメントB種では、フライアッシュ分量は15%以上必要

C種であれば、問題なく使用可能

 

③安全と認められる骨材を使用する

・アルカリシリカ反応性試験によって、安全と認められた骨材を使用する

・試験の結果が無害と判定されたものは、区分Aとなる

・試験の結果、無害と判定できないもの、または試験を行っていないものは、区分Bとなる

・使用する骨材の中に区分Bのものを混合させた場合、骨材全体を『無害であることが確認されていない骨材』として取り扱う

 

 

アルカリシリカ反応の劣化対策

アルカリシリカ反応による劣化がある程度進行してしまった場合、下記の方法で補修を行います。

 

①表面被覆工法

アルカリシリカ反応の原因となる水分がコンクリート内に侵入するのを防止するため、樹脂系の材料などでコンクリート表面を被膜する方法

 

②含浸材塗布工法

撥水系の材料をコンクリート表面に塗ることで、表面被覆工法と同様に、コンクリート内への水分の侵入を防ぐ方法

 

③ひび割れ補修工法

発生したひび割れを補修方法

ひび割れの規模に応じて、被覆工法、注入工法、充填工法などを使い分ける

 

④巻立て工法

劣化が進んでいるコンクリート部材の周囲に補強材を巻き付けて一体化させる方法

補強材には、鋼板や繊維強化プラスティックなどが使用される

 

⑤断面修復工法

劣化が進んでいるコンクリートを除去・修復する方法

 

 

以上です。

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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