【コンクリート施工】コンクリートの養生

土木工学

こんにちわ。

香川県高松市の㈲生道道路建設です。

コンクリートの打設後、コンクリートは水和反応が進み硬化が進みます。

コンクリートが十分に硬化するまでの間、乾燥や凍結から保護しなければなりません。この保護の作業を、『養生』と言います。

本日はコンクリートの養生について見ていきたいと思います。

ぜひご覧ください。

 

【コンクリート施工】コンクリートの養生

コンクリート施工の現場における工程

工事現場におけるコンクリートの施工工程は大きく下記の通りです。

 

①鉄筋工事

・鉄筋は構造物の骨組みとなるので構造物自体の耐久性に大きな影響を及ぼす

②型枠工事

・型枠の形状がそのまま完成形となるため、型枠の変形は絶対に避けなければならない

③レディミクストコンクリートの運搬・受入れ

・レディミクストコンクリートは時間の経過とともに固まっていき品質に影響がでるため、JISで運搬時間が規定

④コンクリートの打設(打込み・締固め)

・レディミクストコンクリートは打設日に受け取り、受入れ検査を実施し品質に問題がなければそのまま使用

⑤コンクリートの養生

・乾燥や凍結からコンクリートを保護するために養生を実施

 

コンクリートの養生とは

打設したコンクリートが所定の強度を発揮するまでには、通常1カ月から3カ月程度必要です。

その間にコンクリートを保護する作業が養生です。

養生では、コンクリート表面を直射日光や風から保護し、湿潤状態や適切な温度を保つことで乾燥や凍結を防ぎます。

コンクリートはセメントと水の水和反応によって固まります。

よって、乾燥によってコンクリート内の水分が失われると水和反応が止まりコンクリートの強度が不足してしまいます。

そのため、特に硬化の初期段階に養生によって湿潤状態を維持することが重要で、これを湿潤養生といいます。

また、低い気温(4℃以下)の環境下でコンクリートの温度が低下するとコンクリートは凍結します。

硬化の初期段階での凍結はコンクリートの品質に悪影響を及ぼすため、養生によってコンクリートの保温も行います。これを温度制御養生といいます。

 

湿潤養生の方法

【被膜養生】

コンクリート表面を水密シートで覆うことで湿潤状態を維持し、さらに養生マットで覆うことで乾燥や温度低下を防ぐ方法

 

【散水養生】

コンクリート表面に直接水をかけることで湿潤状態を維持する方法

 

【膜養生】

コンクリートの表面に養生剤を塗布して、コンクリート中の水分の放出を防ぐ膜を形成させて湿潤状態を維持する方法

 

なお、湿潤養生の期間については、コンクリート標準示方書とJASS5でそれぞれ下表の通り規定されています。

 

【湿潤養生の期間(コンクリート標準示方書)】

日平均気温 早強ポルトランドセメント 普通ポルトランドセメント 混合セメントB種
15℃以上 3日 5日 7日
10℃以上 4日 7日 9日
5℃以上 5日 9日 12日

 

【湿潤養生の期間(JASS5)】

セメントの種類 短期および標準 長期および超長期
早強ポルトランドセメント 3日以上 5日以上
普通ポルトランドセメント 5日以上 7日以上
その他のセメント 7日以上 10日以上

 

温度制御養生の方法

【保温養生】

外気との接触を遮断することで温度低下を防ぐ方法。断熱シートなどで覆う方法が一般的

 

【給熱養生】

コンクリートをシートや養生上屋で覆い、その内部をヒーターや電熱線、練炭などで加熱することで温度低下を防ぐ方法

 

 

型枠の解体とその後の養生

型枠をいつ解体するかは慎重に決めなければなりません

なぜなら、強度が低い段階で型枠を解体し、外部からの衝撃を受けるとコンクリートの変形や破損に繋がる為です。

また、型枠の解体後はコンクリートの露出面が増えるので、そこから水分の蒸発により水和反応が止まる可能性もあります。

 

型枠の解体を実施する時期についてはJASS5で下表のように規定されています。

【型枠の解体時期】

項目 基礎・梁側面・柱および壁
セメントの種類 早強ポルトランドセメント 普通ポルトランドセメント 混合セメントB種
圧縮強度 ・短期および標準:5N/mm2以上

・長期および超長期:10N/mm2以上

日平均気温

20度以上

2日 4日 5日
日平均気温

10℃以上20℃未満

3日 6日 8日

 

なお、型枠解体後も、露出したコンクリート面の湿潤養生が必要になります。

 

 

いかがでしたでしょうか?

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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